2016年2月19日金曜日

日米航空交渉合意で国内線への影響は

ニュースでも「昼間に羽田からアメリカに行けるようになって便利になる」と抽象的な内容ながら日米航空交渉が合意に達したと報じられています。配分は昼間10枠あゼロベースで、その配分方法などの詳細は今後の協議事項かと思いましたが、「Aviation Wire」という航空関連サイトでは配分についても詳しく書かれていました。


そして、今回のニュースは国内線には無関係に思われるかもしれませんが、実は大きく関係しています。昨年、似たような形で日本と中国を結ぶ国際線が増便された際は、羽田の中国路線向け前提の発着枠を暫定的に国内線に転用していた分の減便が行われました。


































以上のように、羽田発着の国内線は1増4減となり、残りの3枠が広州、北京、上海に割り当てられました。
そして、今回の日米合意で、ANAはロサンゼルス、ホノルルの2枠、JALがサンフランシスコ、ホノルルの2枠が夜間から昼間にスライドすることは確定で、残り昼間1枠、夜間1枠がどういった形になるか分かりませんが、配分されることになります。(アメリカはユナイテッドのサンフランシスコ、アメリカンのロサンゼルス、デルタのロサンゼルス、ハワイアンのホノルルの4枠は確定で、昼間1、夜間1を4社のいずれかに配分します)


その際、羽田の昼間発着枠は現状でも余裕がない状況なので、単純に増便になるのか、中国路線同様に、国際線前提の発着枠を暫定的に国内線に転用している分を国際線に割り当てる形になるか定かではありませんが、もし後者になれば国内線の減便が行われることになります。

米国側の航空会社は昼間の羽田発着枠は0から5に増えるので、日本側だけ国内線を減便というのは不公平のような気もしますが、もしそうなった場合にどの路線が減便になる可能性が高いのかというと、羽田=新千歳、高松、佐賀、那覇などに便名が900番台のものがあると思います。これら900番台は暫定的に運航しているということを示すらしく、まずはそれらの便が対象になる可能性が浮上します。


例えば、現在、羽田=那覇の早朝6時台には461便と993便が20~30分間隔で設定されています。よって、これら2便を統合し、461便を現状の6:10や6:20から993便と同じ6:40に出発時刻を繰り下げ、機材をB737-800やB767-300からB777-300やB787-9といった大型機に変更することで、羽田=那覇の輸送力を維持したまま、993便を減便することは可能のように思われます。


また、北陸新幹線開通ほどの影響はないと言われていますが、北海道新幹線開通によって競争が激化する羽田=函館の搭乗率や収益性が低下してしまうと、暫定的な便名900番台は維持したまま、いきなり函館路線が減便という可能性もあります。


飛行機好きとしては、国内線の利便性はできるだけ維持してほしいところです。