2016年3月25日金曜日

ANA国内線座席指定優先サービスを掘り下げる

これまで断片時に取り上げてきたSFC特典について、国内線利用の流れに沿って紹介していこうと思います。

今回はANA国内線座席指定優先サービスをもう少し詳しく検証してみたいと思います。

航空券予約後、はじめてのSFC特典として「ANA国内線座席指定優先サービス」があります。
座席指定の優先範囲はステイタス別で、目安として左の図のようになっていますが、実際にはブロンズメンバー、SFC会員でももう少し前方座席を指定することができます。

反面、2014年夏ダイヤまではANAカード(クレジットカード)会員であればある程度は前方座席が指定できていたのですが、2014年冬ダイヤ以降はシビアになり、ANAカード会員ですら、搭乗日の3日前以前は一部前方の中間席を除いては翼付近から後方でしか事前の座席指定はできなくなっています。






1. ANA国内線の国際線仕様B767-300ERの座席指定
近々、関西方面で予定があり、空港から目的地までの所要時間は20~30分余計にかかってしまうのですが、国際線仕様のB767-300ER型機で運航される羽田=関西を利用すれば普通席の旅割運賃で国際線ビジネスクラスのシートで快適なフライトを楽しむことができます。

この国際線仕様のB767も、以前はANAカード会員であれば前方座席が指定でき、幅広シートを普通席の運賃で利用できたのですが現行制度における座席指定可能範囲は以下のようになっています。

ANAカード(一般)会員に表示されるシートマップ
国際線ビジネスクラスシートを国内線普通席として利用できる11列目までは全て指定できず、事情を知らないと幅広シートは満席状態、もしくは普通席ではないクラスとして認識する予約客がいても不思議ではありません。















プラチナメンバー(ANA SFC ゴールド発行済み)に表示されるシートマップ
プラチナメンバーで予約すると以下のように国際線ビジネスクラスシートの前方座席に空席があります。幅広シートの座席列は前方から1-3-5-7-8-10-11の7列なので、1枚目と2枚目の空席が重複して表示されていますが、現時点で予約済みの幅広シートは35席中8席のみで、27席が空席ということになると思います。また、15から19列目もANAカード会員では空席が1つのみに対して、こちらはまだまだ空席があるので、誰でも事前座席指定ができるのは翼の上、トイレよりも後方の23列目からということになっているのかもしれません。















このように、空席多数の状況でもANAプレミアムサービスメンバー、SFC会員向けに国際線仕様B767の国内線前方座席は完全にブロックされていることが分かります。
旅割運賃よりも1万円以上高額な25,490円の普通運賃で予約すればステイタスがなくても1列目から座席指定ができますが、羽田=伊丹のプレミアム特割などよりも高額なので現実的な選択ではありません。

そして、往復運賃などであれば2日前の昼12:00から、特割や旅割など割引率の高い運賃であれば前日0:00に空席があればブロックされていた前方座席も開放され、事前座席指定が可能になります。

現在、国際線仕様のB767で運航される羽田=関西は羽田発が早朝便、関西発が深夜便で、どちらも搭乗率はそこまで高くない便だと思われるので、旅割55などの割引運賃で予約しておいて、前日0時に再度座席指定を試みれば前方の幅広シートが利用できる可能性はそこそこあると思います。

また、成田=伊丹でも国際線仕様B767(8月以降は時々国際線仕様のB787)で運航されていて、こちらは国際線乗り継ぎなどで利用客が多いようです。


2. プレミアムクラスの設定がないA320の座席指定
運航機材がA320の場合、国内線座席指定の優先が多少違う」でも触れましたが、プレミアムクラスの設定がないANA国内線のA320の場合、座席指定優先サービスがより厳格になります。

ANAカード(一般)会員に表示されるシートマップ
列番号10の9列目までは一部の中間席を除き空席がありません。リクライニングができない列番号11の10列目以降は空席状況がプラチナメンバーと変わらないので、10列目以降で座席指定済みとなっている座席は実際に事前指定されているということになると思います。





















プラチナメンバー(ANA SFC ゴールド発行済み)に表示されるシートマップ
3列目までは空席がなく、列番号5の4列目以降は1席を除いて列番号10の9列目までは空席となっています。以上のことから、前方から3列毎にダイヤモンドメンバー、プラチナメンバー、ブロンズメンバー+SFC会員になっているのではないかと想像していました。


SFC会員(家族カード)で表示されるシートマップ
ところが、先日SFCが発行され、私自身は2017年3月31日まではプラチナメンバーなので、家族カードも作り、家族カード会員はプレミアムサービスのステイタスはないので、SFC会員(家族カード)で予約してみたところ、列番号5の4列目に一部指定できない座席があるものの、5列目、6列目は全て座席指定できる状態でした。
よって、プレミアムクラスの設定がないANA国内線のA320の座席指定優先サービスは以下のように設定されていると思われます。

◆ダイヤモンドメンバー
最前列から全ての座席を指定可能

◆プラチナメンバー
列番号5の4列目以降は全ての座席を指定可能

◆プレミアムサービスステイタスのないSFC会員
一部指定できない座席があるものの、列番号5の4列目から指定可能

◆ブロンズメンバー
列番号8の7列目以降は全ての座席を指定可能




ということで、7列目に座席指定済みの1席はどなたか、ブロンズメンバーの方が指定したのではないかと推測できます。

今後も、ANA国内線を利用する際は座席指定について検証してみたいと思います。