2016年5月12日木曜日

ANA決算短信から今後のサービスと機材計画を妄想

ANAの2016年3月期決算短信の中から、特に気になる2点を抜き出してみました。















まず、国内線について。相変わらず日本の人口減少傾向と他交通機関等との競争激化という、ネガティブな経営環境が叫ばれています。

次に、「ANA Wi-Fiサービスを使用できる機材数を増やして利便性の向上」とあるのですが、心配なのがWi-Fiに対応するための改修が思いのほか進んでいないことです。例えば、B777-200のJA712A(スターアライアンス塗装)が今年に入ってシンガポールにフェリーされ、一定期間とどまっていたため、おそらく重整備が行われたのだと思うのですが、いざ運用に復帰しても機体上部に衛星アンテナは取り付けられていませんでした。改修のためにどの程度運用から外れる必要があるのか定かではありませんが、ペースが遅すぎるような気がしないでもありません。

また、「プレミアムクラスご利用のお客様への機内食メニューを拡充」という点ですが、羽田発着路線でいうと気流に逆らって飛行する沖縄方面(那覇、宮古、石垣)こそ、飛行時間が3時間前後と比較的長時間になるので、羽田=那覇限定のアイスクリームのようなデザートをつけたりするのも良いかもしれませんが、気流に乗る羽田行きは2時間足らずのフライトですし、その他の国内線では飛行時間は正味1時間程度なので、離陸後のベルト着用サインが消えるまでに時間を要したり、降下中にベルト着用サインが点灯してしまうと、CAさんがサービスできるのは本当に短時間になってしまいます。

そこで頭によぎったのが、昨年、羽田空港内のANA自社パン工場が稼働開始したというニュース。このパン工場稼働によって以前は既製品を外部から調達していた国際線ラウンジやエコノミークラスで提供されるパンを内製に切り替えたそうです。
それならば、そのパンを食後のコーヒーなどと一緒に提供すれば面白いのではないかと思います。CAさんによってはプレミアムクラスの場合、飴玉やビスケット、アルコール提供時のおつまみをかごに入れて「よろしかったらいかがですか?」と勧めてくれます。それと同じような形で希望者に配る形にすれば短時間で手際よく提供でき、すでにある製造設備の活用なので導入コストもかからずにサービスの拡充が可能です。特に、朝食メニューは昼食や夕食に比べ軽め(量が少なめ)になっているので、パンとコーヒーがあったらうれしいと思います。












次に機材計画。導入機材がB787-9を10機、B787-8を1機、A320neoを3機、A321ceoを4機の合計18機が導入される一方、B777-200が4機、B767-300が1機、B737-700が2機、B737-500が3機の合計10機が退役する予定ということです。

B777-200はおそらく使用年数から想像するに、国内線機材のJA8197、JA8198、JA8199、JA8967、JA8968、JA8969といった導入後20年前後が経過した機材が対象になると思います。(写真は先日搭乗したJA8967)
おそらくB777-200が退役すると、繁忙期や幹線で運航される大型機が不足してしまうおそれがあるので、10機導入されるB787-9のなかに現状2機の国内線仕様が含まれるのかもしれません。
















続いて、1機退役予定のB767-300は候補がとても多いです。今年に入って昨年搭乗したJA8357が退役したのですが、同じくここ1年で搭乗したJA8568、JA8578も導入24年目の機材ですし、JA****と機体番号に数字4桁が使われている使用年数20年以上のB767-300が10機あります。(写真はJA8579)


















そして、新たに導入される機材のうち、A320neoは今年度は3機ですが、合計10機導入予定で、現在運用されている従来型A320(A320ceo)が10機なので、そっくりそのまま入れ替えということになりそうです。また、B737-500が3機退役予定で、本来B737-500の後継機はMRJということですが、納入が再延期されたので、当面は既存のB737-800やA320ceoで補っていく形になるのではないでしょうか。

次に、A321ceoは座席数が200-220席クラスらしいので、一部のB767-300で運航されている路線に投入されるのではないかと以前から考えています。可能性のある路線としては伊丹=仙台、仙台=那覇、高松=那覇、広島=那覇といった地方路線で、前後の機材繰りという点も考慮すると伊丹=福岡、羽田=広島、羽田=高松だったり、需給によってB767-300に変わって、A320、B737-800といった小型機が投入されることが多い、羽田発着の大館能代、庄内、小松、富山、高知、大分、宮崎といった路線も考えられます。
おそらく、B767-300の退役1機に対して、A321ceoが4機投入されるので、決算短信にある需給適合のために当面は使い分けていくと思われます。


ここの以前から気になっているのが、新たに導入されるA320neoやA321ceoにプレミアムクラスの設定があるのか?ということです。
私の場合、家族やグループで利用する場合は基本普通席ですが、1人で移動する場合は狭い普通席で他人と横並びを避けるためにプレミアムクラスを利用したいので、ANA運航便でプレミアムクラスのないA320やB737-500に該当してしまうと1便早めたり、遅らせたりします。

もし、プレミアムクラスの設定があるB777-200やB767-300が退役し、新たに導入されるA320neoやA321ceoにプレミアムクラスの設定がないという場合、路線によっては1日中プレミアムクラスの設定がないというケースが出てくるかもしれません。そうなると、私はANA一択ですが、中には「クラスJがあるからJALにしよう」という乗客も出てくるかもしれません。そういったニーズや客層を逃さないためにも、ANAとJALがともに運航している路線にはプレミアムクラスのある機材を充ててほしいと思います。


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